電気学会全国大会講演要旨
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アルカリイオンエレクトレットを用いた低消費電力MEMSスキャナーの開発
○杉山達彦・青山 満・芝田 泰・橋口 原(静岡大学)
静電駆動型MEMSスキャナーは小型化や製造コストの点で優れているが、バイアス電圧が必要なことから比較的消費電力の大きいことが弱点である。しかし、駆動用電極にエレクトレットを形成して電界を発生させることによりバイアス電圧は不要となり、低消費電力MEMSスキャナーを実現できる。静電駆動型MEMSスキャナーを作製後、駆動用櫛歯電極表面にアルカリイオンエレクトレットを形成した。バイアス電圧を印加しない状態で交流電圧を印加して共振することを確認した。共振周波数において交流駆動電圧 9 Vpp で掃引角度12˚ を得られ、この時の消費電力は0.57 µWであった。