電気学会全国大会講演要旨
3-119
白金黒膜電極のナノフィルタリングを利用した神経伝達物質センサ
◎神邑康成・安田 隆(九州工業大学)
神経細胞が放出したグルタミン酸を細胞直下で計測可能なセンサデバイスを開発した.グルタミン酸は,培養面に形成したナノホール内の白金黒電極のナノポーラス構造を通じて,培養チャンバからその直下の酵素溶液貯留チャンバへ拡散し,酵素の作用により酸化される.それに伴い発生する過酸化水素を白金黒電極により電気化学的に計測する.白金黒電極はグルタミン酸を透過し酵素を透過しないフィルタリング機能を有しており,分子径の異なる2種類の蛍光色素を用いた透過実験によりこの機能を実証した.また,培養チャンバに様々な濃度のグルタミン酸溶液を滴下することで計測実験を行い,本デバイスの性能を評価した.