電気学会全国大会講演要旨
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DNA結合微粒子の誘電泳動を用いたDNA高速検出法の開発
○中野道彦・丁 震昊・笠原弘道・尾原稜司・末廣純也(九州大学)
PCR(polymerase chain reaction)は高感度で特異性が高い核酸検査法としてウイルスや細菌の検査に用いられる。PCR後にはDNAを検出する必要があり、従来法は煩雑で数時間必要であった。そこで、DNA検査を簡便、短時間、安価に行う新しい方法を考案した。それは、微粒子の誘電泳動を応用したもので、対象DNAを微粒子に結合させて、そのDNA結合微粒子を誘電泳動で微細電極に捕集する。微粒子の捕集は、電極間のインピーダンス変化として計測する。本法のポイントは、DNAが結合した微粒子のみが捕集される点にあり、DNA結合前の微粒子は捕集されない。つまり、微粒子の誘電泳動がDNA結合によって大きく変化することを利用している。本発表では、本法の理論および実験結果について示す。