電気学会全国大会講演要旨
3-112
生体タンパク質識別用リポソーム固定NiCr薄膜ひずみゲージカンチレバーセンサ
◎寒川雅之(新潟大学)・張 子洋・赤井俊夫・高田佳祐・山下 馨・野田 実(京都工芸繊維大学)
表面MEMSプロセスにより作製したマイクロカンチレバー上に自己組織化単分子(SAM)膜によりリポソームを固定化し、カンチレバー表面と生体蛋白質の相互作用による撓み変化をNiCr薄膜ひずみゲージの抵抗変化として電気的・静的に検出する。純水液滴中にカンチレバーを浸漬した場合には抵抗は時間的に安定であった。一方、複数の生体タンパク質水溶液に浸漬した場合、タンパク質のカンチレバーへの吸着により抵抗が時間的に増加した。その変化率はタンパク質の種類によって異なり、900秒後に炭酸脱水酵素(CAB)では約70ppm、リゾチームでは約20ppm増加した。これは分子量の違いやリポソームとの相互作用の大きさの違いを反映したものと考えられる。