電気学会全国大会講演要旨
3-017
β展開に基づくパイプラインドサイクリック型ADCの検討
◎山田俊毅・菅原論平・吉田昂右(東京都市大学)・松浦達治(科学技術振興機構)・傘 昊・堀田正生(東京都市大学)
システムLSI における高精度ADC では,半導体プロセスの微細化に伴い,素子精度劣化やMOS トランジスタの真性利得の低下による影響で,微細CMOS を用いたADCの高精度化が困難となってきている.そこで高精度の回路素子や高利得の増幅器を必要とせず,プロセス変動や使用環境変化にロバストな,β展開に基づくサイクリック形ADC の提案とその実験結果が先に報告されている.本研究ではハイエンドマイコン用として,β展開ADCの小面積,ロバスト性といった利点を活かしつつ,高速動作可能な,β展開に基づくパイプラインドサイクリック型ADCの提案を行い,また,実現可能性を確認するために2段構成のβ-パイプランドサイクリックADCを実際に設計し,回路シミュレーションを行った。その結果、サンプリングレート2.5Mspsにおいて有効ビット数10bit以上という所望の性能が得られたので報告する。