電気学会全国大会講演要旨
2-152
不溶性陽極を用いて作製したFe-Ni電析膜
◎渡邊佳正・下川貴也・大坪将貴・柳井武志・中野正基・福永博俊(長崎大学)
我々は,「優れた環境適合性を有するクエン酸浴を用いたFe-Ni電析膜の作製」において,可溶性の純ニッケル陽極を使用してきた。本めっき手法の実用化を促進するには,陽極の交換が簡便な不溶性陽極の使用が期待されるものの,代表的な不溶性陽極である白金や白金被覆チタンは価格面で所望されにくい。そこで本稿では,比較的安価であり,アルカリ性のめっき浴種において不溶性として知られるステンレス陽極を使用したFe-Ni電析膜の作製を試みた。その結果,本電析条件では,ステンレスは可溶性陽極として振る舞うものの,その影響が小さい範囲では,純ニッケル陽極と同等の試料を実現できることがわかった。