電気学会全国大会講演要旨
2-132
全方向き裂が探傷可能な回転磁界型磁粉探傷磁化器の検討
○福岡克弘・川越一平(滋賀県立大学)・尾崎智裕・岩田成弘・粂田昌彦・及川芳朗(電子磁器工業)
非破壊検査の一手法である磁粉探傷試験は、鉄鋼材に存在する極微小なき裂を検出できるため、多くの産業界で用いられている。極間法を用いた磁粉探傷試験において、磁化器の配置を変えることなく、全方向の傷を検査するには、回転磁界を用いて試験鋼材を磁化することが有用である。回転磁界を発生させる手法として、三相交流を用いた3極コイル磁化器がある。しかし、3極コイルによる磁化は、磁化器の中心から離れるに従い一方向の磁界が強くなり、回転磁界が不均一となることを、これまでの研究において確認している。 本研究では、従来の磁化器よりも小型で且つ広範囲に均一な回転磁界分布が得られる磁化器の開発を目的とし、磁極を分割した分割ヨーク型磁化器を提案した。さらに、磁極を6極としたマルチコイル型磁化器の開発を試み、その特性の評価と有用性の確認を行った。