電気学会全国大会講演要旨
2-121
複合磁気ワイヤの中央部エッチングによる低励磁化
芹沢諒平・溝口健人・山田 努・増田純夫・○竹村泰司(横浜国立大学)・小川雄一朗・河野志郎・金子文夫(ニッコーシ)
磁性材料の磁化反転が大バルクハウゼンジャンプと呼ばれる高速な磁壁移動によって生じる際、ワイヤ周辺に設置した検出コイルに出力パルスが誘起される。ひねり処理をした磁性線(複合磁気ワイヤ)は、このウィーガンド効果を示す素材の一つである。複合磁気ワイヤを利用した磁気センサの利点として、外部電源が不要であること、動作温度範囲が広いこと、出力波形が外部磁界の時間変化に依存しないことが挙げられ、これらの利点を活かした回転・速度センサやエネルギーハーベスティング素子としての応用が期待されている。 磁化反転を誘起する外部磁界強度(反転磁界強度)を低下させることを目的にワイヤ中央部にエッチング加工を施した。反磁界により出現する逆磁区は、磁壁の核生成エネルギーが不要なために反転磁界強度を低下させることに成功した。