電気学会全国大会講演要旨
2-073
ポリトリシクロペンタジエンの誘電特性の高温評価
◎吉田圭佑・小迫雅裕・石辺信治・匹田政幸(九州工業大学)・亀井伸人(RIMTEC)
筆者らは、新たな機能性ポリマー絶縁材料の開発の一環としてオレフィン系熱硬化性樹脂の適用に着目しており、その1つであるポリジシクロペンタジエン(Poly- dicyclopentadiene: P-DCP)の各種特性を評価し、低粘度かつ低誘電率な熱硬化性樹脂であるため、エポキシ樹脂の代替材料になりうる可能性を秘めていることを示してきた。ほぼ同等のガラス転移温度(Tg)を持つエポキシ樹脂とP-DCPの誘電特性の温度依存性を比較すると、Tgを超えて200℃までの温度領域おいても、P-DCPの方が高い熱安定性を有するとの報告もなされている。他方、P-DCPよりも耐熱性に優れているポリトリシクロペンタジエン(Poly- tricyclopentadiene: P-TCP)の各種特性も報告してきた。本報では、P-TCPの誘電特性を高温領域まで評価し、その優位性が明らかになったので報告する。