電気学会全国大会講演要旨
2-066
電気的モジュラスにより解析したエポキシ樹脂の誘電特性に与えるシリカ添加の効果
◎増崎裕季・大木義路(早稲田大学)
エポキシ樹脂は、電気絶縁材料として広く用いられているが、さらに種々の特性の向上が求められている。この有効的な手段として、樹脂のコンポジット化が挙げられる。本研究では、エポキシ樹脂に粒径がマイクロサイズのシリカを添加したコンポジットとシリカ無添加エポキシ樹脂を作製し、複素比誘電率の温度・周波数依存性を測定した。さらに、複素比誘電率の逆数で定義される電気的モジュラスを用いた解析を行うことで両樹脂における誘電緩和を明瞭に示し、シリカの添加が樹脂のガラス転移温度以上では電気伝導を阻害し、ガラス転移温度以下では双極子配向を起こす分子運動を抑制することを明らかにした。