近年，環境負荷低減を目的として，バイオマス資源を有効活用する開発や実用化が，熱可塑性樹脂では積極的に取組まれている。一方，電力用エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂では，そのような取り組みがあまりなされていない。そこで，材料そのものが環境負荷低減に貢献する電力用エポキシ樹脂の実現に向け，植物油由来エポキシ樹脂の課題であった耐サーマルショック性の向上を目指した。溶融石英の高充填と硬化プロセスの改善を組み合わせることで、植物油由来エポキシ樹脂は耐サーマルショック性が向上し、石油由来エポキシ樹脂と同等以上の性能となった。また、機械特性や耐熱性も評価し、電力用モールド機器への適用の実現性をより高めることができた。