電気学会全国大会講演要旨
2-006
ポリジシクロペンタジエン樹脂の優れた耐ガンマ線性
◎冨手直人・増崎裕季・北村文乃・平井直志・大木義路(早稲田大学)
熱硬化性ポリジシクロペンタジエン樹脂Pとエポキシ樹脂Eに線を1.0 MGy照射し,複素比誘電率の温度と周波数への依存性を測定し,耐放射線性を比較した。Pは未照射時においてもEより低いr’とr’’を示すが,照射後には両樹脂の差は非常に顕著となる。r’’が印加電圧の周波数に反比例する温度域,すなわち,誘電特性に電気伝導の影響が支配的となる温度域は,PにおいてはEよりもはるかに高温側に寄っている。また,Pに線を照射すると,この温度域はより高温側にシフトする傾向が窺え,この特性より推定した導電率は,PにおいてEよりもはるかに小さい。以上より,樹脂PはEよりはるかに高い耐放射線性を示す。