電気学会全国大会講演要旨
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電極極性が接近する帯電球からの静電気放電に及ぼす影響の一実験
○冨田 一(労働安全衛生総合研究所)
静電気放電(ESD)は主な電磁波ノイズ源の一つであり,静止した帯電物体からのESDに比較して,帯電物体が接地体へ接近を伴うESDの方が,コンピュータに対して電磁干渉(EMI)の強くなることが報告されている。この現象を解明する研究においては,多くの研究が接近帯電物体の極性をプラスとしている。 本研究においては,接近帯電物体の極性が静電気放電に及ぼす影響を直径15.9mmの真鍮球を用いて実験的に調べた。 その結果,同一の接近速度に対して,電極の極性がマイナスの方がプラスに比較して平均火花長が短くなるとともに,放電電流の平均ピーク値が大きく,平均立ち上がり時間が短くなる傾向の結果を得た。