電気学会全国大会講演要旨
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液体表面への非平衡大気圧直流放電により液体中に生成される化学種に関する基礎特性調査
◎伊藤卓也・今澤優子・宮下里緒・石島達夫・田中康規・上杉善彦(金沢大学)
本研究では直流駆動の大気圧グロー放電(Atmospheric Pressure Glow Discharge: APGD)に着目し,APGDと液体が関与する反応現象を解明するため化学的作用を調査した。著者らはこれまでに酸化力が極めて高いOHラジカルの液中における生成レートを調査してきた。今回の研究では、TA(テレフタル酸)を用いた化学プローブ法によりAPGD照射によるOHラジカルの定量測定を行った。さらに,大気圧時にプラズマを照射することで生成されるNO3-とNH4+を高速イオンクロマトグラフィーで検出した。HTAは電流量に依存し、極性に大きく依存する。NO3-,NH4+の生成量は電流量に依存せず、極性に大きく依存する。HTA,NO3-,NH4+生成レートは正イオン照射により促進されることが推定される。