電気学会全国大会講演要旨
1-084
空気中の絶縁破壊チャネル発生に及ぼす部分放電残留電荷の影響
◎北村卓也・小島寛樹(名古屋大学)・小林金也・加藤達朗・六戸敏昭(日立製作所)・早川直樹(名古屋大学)
空気中不平等インパルス電界下においては,発生した1次・2次ストリーマが減衰した後に,新たに高導電性チャネルが発生・進展し,絶縁破壊チャネルが形成される場合がある.本論文では,平板電極側のFRPバリアにより,1次ストリーマチャネルへの電子供給を抑制し,2次ストリーマの発生を抑制することで,1次・2次ストリーマによる残留電荷がその後の絶縁破壊チャネル発生に与える影響について検討を行った.その結果,FRPバリア有りの時には,FRPバリア無しの時よりも高い電圧でチャネルが発生することを明らかにした.これは,1次ストリーマの残留電荷による電界緩和効果が2次ストリーマによる緩和効果より大きいためであると考えられる.