電気学会全国大会講演要旨
1-082
数10psオーダーの立ち上がり時間を有する鉱油中PD電流パルス波形の形成メカニズムの検討
◎福崎 稔・松本卓也・大塚信也(九州工業大学)
電力機器の絶縁診断技術において、部分放電(PD)によるUHF帯の放射電磁波を測定するUHF法が広く適用されている。この絶縁診断技術の高度化には、絶縁破壊の前駆現象であるPD現象自体の理解とともに、PD現象とその放射電磁波の関係の理解が必要である。また、この理解にはPD電流パルス波形の正確な測定が重要となる。我々はこれまでに構築しているSHF帯領域までの放電電流パルス波形を正確に測定できる装置(SHF_PDPW装置)を用いて、絶縁油中PD電流パルス波形を測定し、波形の測定周波数帯域依存性などの検討を行っている。本研究では、鉱油中負極性PD電流パルス波形の形成メカニズムを臨界電界領域における電子やイオンの移動度に基づき検討した。