電気学会全国大会講演要旨
1-051
分光画像法による大気中正極性直流グローコロナ放電の気体加熱の微細構造
◎松本宇生・清水大輔・稲田陽一・生澤泰二・西嶋喜代人(福岡大学)
本研究では、正極性直流グローコロナの気体温度の空間分布計測を分光画像法という手法を基に行った。実験では、大気圧合成空気中に設置した棒対平板電極に正極性直流電圧を印加してグローコロナを発生させ、N2の2nd Positive System Band(0-2)のtailとhead部に各々対応する狭帯域バンドパスフィルタを装着したICCDカメラによってその分光画像を撮影した。温度分布は、tailとheadの分光画像から得られる発光強度比から導出した。その結果、棒電極端近傍に発生する膜状のグローコロナ中の気体温度分布は印加電圧の増加に伴って高温域が電極下へ拡大していくことがわかった。さらに、火花破壊直前には棒電極先端に特に温度の高い領域が形成されることが明らかになった。