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直流重畳下におけるヒステリシス特性を考慮した鉄損算出手法の検討
◎竹田よし美・北尾純士・髙橋康人・藤原耕二(同志社大学)・阿波根 明(サイエンスソリューションズ)・松尾哲司(京都大学)
現在広く使われている磁界解析では,磁性材料の初磁化曲線のみを考慮し,鉄損は後処理で評価する手法が一般的であるが,高効率な電気機器を設計するためには,鉄損評価の高精度化が必要不可欠である.そこで文献[1]では,初磁化曲線に基づく通常の磁界解析により得られた結果にプレイモデルを適用してヒステリシス損を算出するプレイモデル後処理が提案されている.この手法は,従来の磁界解析と比較して解析全体の計算コストはほぼ等しく,鉄損評価の高精度化が期待できる.本稿では,プレイモデル後処理の有効性を検証するために,直流重畳下における環状試料の解析を行い,ヒステリシス損の算出手法として従来の鉄損係数を用いる手法,プレイモデル後処理を用いる手法,プレイモデルを有限要素磁界解析に適用して直接的にヒステリシス損を算出する手法の3種類について比較を行った.