誘導機の一次漏れインダクタンスと励磁インダクタンスは，無負荷試験や拘束試験により得られる諸量から分離して実測することが困難である。一次漏れリアクタンスを測定する方法として，サーチコイルを用いた試験が知られているが，各々のケースに応じた試験器具を製作する必要が生じる。 そこで，著者らは，既に提案している直流試験法によって得られる線間と相間の演算子インピーダンスから一次巻線間の相互インダクタンスを算出し，これを用いて励磁インダクタンスおよび一次漏れインダクタンスを分離して算定する方法について検討したので報告する。