電気学会全国大会講演要旨
6-272
円筒形ノズルスロート構造を有した自力形消弧室モデルにおける消弧特性およびアーク挙動
○内井敏之(東芝)・Jim Humphries・Joseph Spencer(University of Liverpool)
自力形消弧室は機械的圧縮エネルギーを低減できる反面,アーク電極を細く構成するため開極速度は増大する傾向にある。ノズルスロートを従来の円形状から筒形に構成することにより,スロートの流路断面積を絞っても大径電極を使用できるため開極速度を抑制できるなどの効果が期待できる。SF6ガス遮断器モデルを用いて円筒ノズルスロート構成での消弧特性を評価した。その結果,(a)円筒ノズルスロート構成にすることで,ノズルアブレーション量が増大し,吹付け圧力が大幅に高まる,(b)しかしながら同じ吹付け圧力の条件下で比較すると従来形スロート構造に比べて円筒形は消弧性能が劣る結果となった。高速カメラを用いて円筒ノズルスロート内のアーク挙動を観測した結果,小電流領域ではアークは円筒ノズルスロート内に均等に点弧しておらず,偏って点弧していることが明らかとなった。