電気学会全国大会講演要旨
6-271
反応非平衡モデルによるSF6アーク減衰時におけるフッ素負イオン生成の検討
○田中康規(金沢大学)
ガス遮断器は,大電流遮断時に発生するアークにSF6を吹き付けてアークを消滅させている。このアーク消滅過程を詳細に明らかにすることが,ガス遮断器のコンパクト化,高性能化に繋がる。SF6アーク遮断現象は高速現象であり,原子・分子が複雑に関係する。筆者らはこれまでにSF6アークを対象として,原子・分子・イオン・電子間の反応速度を考慮した反応非平衡モデルを構築してきた。このモデルにより,それぞれの粒子の生成消滅機構が明らかにでき,アーク遮断性能を決める物理を検討できる可能性がある。一般にSF6アーク遮断現象においては, F原子の電子付着現象がアーク消滅過程に大きく作用するといわれる。本報告ではF-に着目し,いずれの反応がF-の生成・消滅に大きく寄与するのかを反応非平衡モデルから検討した。