電気学会全国大会講演要旨
6-265
ナイロン系ポリマー材料へ熱プラズマ照射時におけるスポレーション現象の吸水依存性
○新清直樹・石田昌弘・田中康規・上杉喜彦・石島達夫(金沢大学)・和田純一・岡部成光(東京電力)
ポリマー溶発は遮断器の消弧室内で高速ガス流を生じさせ,アークの収縮および冷却をもたらす効果が期待できる。 筆者らはこれまで各種ポリマーバルク材料へ誘導熱プラズマを照射してきた。 ナイロン系ポリマー材料PA66 の場合,材料表面から溶発蒸気が噴出するだけでなく,材料表面の一部破損で放出したスポレーション粒子が,よりプラズマ内部へと侵入し,溶発蒸気を供給することを示した。 ナイロン系材料はアミド基を有する為,他のポリマー材料と比較し吸水性が高いという特徴を持つ。 本報では,スポレーション粒子の発現に,ポリマー内部に吸水した水が及ぼす作用について検討した。 実験結果からスポレーション粒子の発現は,材料内部に含む水分が起因となっていると推論できた。