電気学会全国大会講演要旨
6-264
雷断線防止装置の動作状況に関する実態調査
○長谷川 博(北海道電力)
実フィールドに施設中の雷断線防止装置実機において襲雷時の高圧線電流および系統内の零相電圧を測定することでその波形を基にした不要動作防止対策について考察したので報告する。 実測波形を分析した結果,雷以外の要因で発生する零相電圧の立ち上がり峻度は全て比較的緩やかであるのに比べ,雷断線事故の原因である配電線への直撃雷発生時の零相電圧は非常に急峻に上昇する。電柱への雷撃によって一気に線路の電位が上昇するためである。 したがって,ZPD〜制御装置間に零相電圧波形フィルタ回路を挿入することで雷事故時の急峻な零相電圧のみを取り出し,制御装置に入力することで雷断線防止装置のほぼ全ての不要動作回避を実現することが仕組み上可能であると考える。