電気学会全国大会講演要旨
6-167
観測情報を用いた適応型電力系統安定化制御
◎前田智寛・渡邊政幸・三谷康範(九州工業大学)
西日本電力系統に代表されるくし形構成の電力系統では,弱制動の長周期動揺の発生が特徴となっており,系統間動揺の抑制には系統安定化装置(PSS: Power System Stabilizer)が有効である。しかし大規模な電力系統におけるPSS設計は困難であることから,位相計測装置(PMU: Phasor Measurement Unit)から得られる位相情報を用いて,実系統の動特性を反映する電力系統モデルを構築することで,より容易にPSS設計を行う方法を提案する。本稿では,系統の一部にステップ信号を与え,その時の位相差情報を用いて系統状態を反映するモデルをシステム同定によって構築しPSSの設計を行うため,その時々の系統状態での制御が可能となる。