電気学会全国大会講演要旨
6-091
長距離ケーブル系統における高調波共振回避方法【直列リアクトルの応用】
甲斐郁人・中澤雅明・西村昭一(九州電力)・山本捷敏・○鈴木浩二・野呂康宏・金子 武(東芝)
長距離(数十km)ケーブル送電のニーズがある。直流送電はコストが高い。一方,交流ケーブル送電は技術課題が多く,50km程度が限度とされる。交流送電の可否決定要因に高調波共振がある。長距離ケーブル系統は,静電容量が大きいため,系統に残存する第3次・第5次高調波に共振する。高周波過電圧が発生し,ケーブルの過熱・機器の絶縁劣化などを引き起こす。共振回避のため,変圧器インダクタンスを標準の2倍以上にする方法が実用化されているが,ケーブル系統のほかに負荷送電線がある場合には電圧変動が大きくなるため,適用できない。このたび,交流送電を可能とする直列リアクトルの応用を考案し,離島送電を計画中である。