電気学会全国大会講演要旨
6-084
電力系統におけるN波動揺の抑制を目的とした二次電池システムの設計
◎平岩崇人・岩本伸一(早稲田大学)
日本の電力系統では近年重潮流化が進んでおり,過渡安定度の低下が懸念される。日本では各電力会社が自地域内の全供給責任を負い,事故発生時にはその影響を自地域内に抑えることを目指した制御を行っている。しかし,連系線の潮流量が増加すると,事故の影響が他系統に波及し,初期の動揺モードによる脱調現象だけでなく,振動発散現象であるN波脱調が発生する可能性が生じる。一方,近年二次電池の上位系統への導入が検討されると同時に,その系統安定化装置としての転用に着目した研究が活発に行われている。以上の背景から,本稿では発電機母線に導入した二次電池システムの充放電によって,N波動揺を抑制することを提案する。