電気学会全国大会講演要旨
6-043
電力流通における無効電力の価値評価手法
◎橋本拓郎・土井 淳(東京工業高等専門学校)
本稿では、無効電力供給源の地点別価値を系統全体の有効電力損失低減効果によって導出される無効電力(Q)価値係数を用いた評価手法を提案する。無効電力供給源の設置によって有効電力損失をどれだけ低減できるかを求めることにより、系統内の発電機群と無効電力供給源の任意の設置地点の電気的距離を定量的に評価でき、系統全体での無効電力の価値評価が行える。本手法によって導出されるQ価値係数を用いて、電圧分布の適正に関するアンシラリーサービス費を系統参加者に適切な形で分配・負担させることができる。また、Q価値係数の大きさによって電力系統の各地点をグループ化でき、無効電力調達のための公平な価格競争市場を形成することができる。