電気学会全国大会講演要旨
6-039
水力発電設備を有する小規模系統の信頼性評価
○田中顕介・岩見 俊・宮内 肇(熊本大学)
現在、世界中で電力需要が伸びている。そのため、発電設備の新設や増強などが行われている。それに伴い、火力発電による化石燃料の枯渇や二酸化炭素の排出、また、原子力発電に対する安全性など、発電設備の新設に対しては様々な問題が生じている。そこで注目されているのが太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーである。しかし、太陽光発電は太陽が照射している時間しか発電ができないため、夜間は電力を供給できない。また、風力発電は風速によってその出力は大きく変動する。そのためこれらの発電設備を電力系統に接続した場合、安定度や信頼度の低下、過度の電力供給などの問題が生じる。したがって、これらの再生可能エネルギーを導入する際には、これらの変動を吸収するための設備が必要となる。変動の吸収は電池などの電力貯蔵設備で行うことが考えられるが、本報告では、再生可能エネルギーの一つでもある小水力発電による変動の吸収を考える。 そこで本報告では、分散電源に、水力発電と内燃発電機を有する孤立した系統を考え、分散電源の変動吸収用として水力発電を用いた場合のこの系統の信頼性について議論する。解析手法としてモンテカルロシミュレーションを行い、信頼性指標であるLOLP及びAWS(Average Water Spilled:平均溢水量)、AWE(Average Water used to Electricity:発電用平均水量)を用いてシステムの信頼性について検討する。